STIレバー本体の内部機械の故障は、滅多に起きることはありませんが、転倒や衝突によりハンドル取付け部分やレバーなど、外部の破損はバイクに頻繁に乗る人やレースに出場する人にとって、しばしば起きることがあります。
今回、転倒により右STIをハンドルに取付るためのSTIブラケットユニット(プラスティックパーツ)の一部が破損、変速機能自体に問題はおきなかったが、ドロップハンドルへ取付けできないために使用が出来なくなりました。

右STIレバーのみを購入することも考えましたが、調べてみるとパーツ交換により、修理が可能だとわかり修理を行う事にしました。
実際に修理を行ってみて、修理に必要な部品や工具、修理手順についてまとめてみました。

シマノ(SHIMANO) ST-R7000 左右レバ-セット 2x11S STIレバー ISTR7000DPAL ブラック
使用工具

Y6RT68000 [Eリング 取り外し工具A]
メインレバー取付部のeリングを外すための専用工具になります。

【シマノ SHIMANO】シマノ SHIMANO Y6RT68000 Eリング取り外し工具A

シマノ(SHIMANO) 工具 Eリング取り外し工具A

シマノ ST-R8000 ブラケット 組R Y0DK98050
構造
STIレバーは、大きく分けるとブラケットユニットとメインレバーの2つの部品に分かれます。

シマノ FC-R8000 53X39T 170mm 11S IFCR8000CX39
ブラケットユニット
表面プラスティック部にシフトワイヤー、ブレーキワイヤーを通す穴があり、ブレーキワイヤーはそのままメインレバーに固定されますが、シフトワイヤーはブラケットユニット内部に巻き込まれる構造になっており、レバー(変速シフト)操作で内部の精密機械が回転しワイヤーが巻き込まれ、引張られることでシフトチェンジ動作を行います。

右STIとハンドルの取付部のプラスチック部分破損のため、購入した補修用パーツは右ブラケットユニットになります。
※シフトチェンジ時のワイヤーの引き量は、変速段数により異なるためレバー交換時はディレーラーとの互換性に注意が必要です。

シマノ(SHIMANO) ST-R8000 メインレバー組L Y0DL98010
メインレバー
上部先端の金具部分にブレーキワイヤーを固定、レバーを握るとブレーキワイヤーが引張られることにより、ブレーキがかかる構造となっています。

シマノ スモールパーツ・補修部品 Eリング取り外し工具A Y6RT68000 シマノスモールパーツ SHIMANO
分解手順
⑴ STIのブラケットカバーを外します。

⑵ eリングを外します。


eリングは専用のeリング取外し工具を使って、STI下側から工具を差込み上に向かって押し込む事でeリングを押出します。
この時、工具でeリング取付部を傷つけないよう、差込む角度に気をつけて押込みます。

シマノ ST-R8000 右レバーのみ 11S ISTR8000RI

シマノ ST-R8000 ブラケット UTR Y0DK98070
⑶ メインレバーとブラケットユニットを固定するレーバー軸を抜き取ります。

レバー軸径より細いビットなどで、STI外側から内側方向にビットを当て、ハンマーで叩いてレバー軸を押し出します。

あらかじめ、レバー軸のまわりにCRCなどを吹き付けて、滑りやすくしておくと抜けやすくなります。

シマノ(SHIMANO) テンション/ガイドプーリーセット RD-R8000 Y3E998010

シマノ(SHIMANO) ST-R8050 ブラケットカバーペア Y0E298010
⑷ ブラケットユニットからメインレバーを取外します。

レバー側にはブレーキ操作した時、レバーを戻すためのリターンスプリングが付いており、スプリング先端はブラケット側に差し込むように固定されています。

マイナスドライバーやeリング取外し工具で引っ掛け、スプリングの先端を引き抜くことで、メインレバーとブラケットユニットを取り外すことができます。
ここまで出来れば、ブラケットユニットからのメインレバー取外し作業は完了です。

シマノ RD-R8000 11S GS 対応CS ロー側最大28-34T ※34T対応ギア 付属/OT-RS900
ユニットカバー
ブラケットユニットには、ユニットカバーとケーブルカバーは含まれていないため、壊れたブラケットから取外し再利用します。

ケーブルカバー

ユニットカバーとケーブルカバーを新しいブラケットユニットに取付けが終われば、組み立て作業に入ります。

シマノ FD-R8000 直付 2X11S ※バンドタイプとしてご使用の際には、SM-AD91をお使い下さい。 IFDR8000F
組立手順
⑴ メインレバーをブラケットユニットに取付けます。

メインレバーをブラケットユニットに固定する(レバー軸が真直ぐ通る)位置にもっていきます。

メインレバーにあるリターンスプリングをペンチなどで挟み、スプリングの回転する方向にブラケットユニットのスプリング固定位置まで引張り、差し込みます。
※この時、レバー軸の先端だけ仮に差し込んで置くとリターンスプリングを引張りやすくなります。

シマノ ST-R8000 左右レバーセット 2X11S 付属/シフト、ブレーキケーブル ISTR8000DPA

シマノ CS-R8000 11S 11-30T 12345791470 ICSR800011130
⑵ レバー軸を差込みます。


レバー軸をビットを使って叩き込み固定位置(レバー軸の先端がプラスチックパーツの面と合う)まで差し込みます。

シマノ BR-R8000 前後セット R55C4シュー IBRR8000A82
⑶ eリングを差込み固定します。

eリングをレバー軸に差し込む方向に調節して、仮止めします。

eリング専用工具を使って、仮止めしたeリングを最後まで押し込み固定します。
eリングがレバー軸にしっかりと固定され、STIレバーのブレーキ操作がスムーズに動くことを確認します。

R8000 Groupset R8000 DeRailleurs Road自転車ST + FD + RD + CS + CNフロント REAR 制御レバー用Shi-Ma-No (Color : 11 32T)
⑷ STIブラケットカバーを取付ます。

これで、組立作業完了です。
購入パーツ、工具費用
右ブラケットユニット 7,500円
eリング取外し工具 700円
eリング 4㎜用 100円
計8,300円

R8000 Groupset R8000 Drailleurs Road自転車ST + FD + RDフロントリア・ディレイラー・シフター・レバー用Shi-Ma-No (Color : SS(Short Cage))
まとめ
ロードコンポーネントの中でも高価なパーツであり、精密機械であるSTIレバー。
転倒などにより、破損してしまうとショップで修理するにも費用が高くなってしまいます。
自分で修理するにも複雑で分解すると元に戻せなくなる可能性もあり、修理するにはリスクが大きいと感じるパーツです。
今回、初めてSTIレバーの修理に挑戦してみて感じたことは、大きく分けてメインレバーとブラケットユニットとの2つのパーツから構成されているため、そのどちらかを交換する事でほとんどの修理ができる場合が多いという事です。
ただ、どちらのパーツも1万前後と高価にはなります。
レバー自体を新しく購入するよりは半値程で済みやってみる価値はあると思います。(自己責任となります)
この記事がメンテナンスの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

シマノ(SHIMANO) ST-R8000 ネームプレート右/ネジ Y0DK98030

シマノ(SHIMANO) ST-RX815 (Di2) 右レバーのみ 11S ハイドローリック ISTRX815R


